親子で聴きたいオチャノマ音楽ー2
加藤千晶
リズムにのって〝ちゃぶ台ジャイブ〟
ピアノを自在に操り、〝跳ねた〟リズムにのって軽やかに歌う。
そんな加藤千晶さんの音楽はライブでも、CDでも、子供番組でも、いつも変わりません。
ウキウキするような楽しい音楽の核心にはいったい何があるんでしょうか?
リクエストは多めでも自由度も高いEテレの仕事
—Eテレの音楽をたくさん作られていますが、きっかけはどういうものでしたか?
加藤:01年くらいに始めました。『いないいないばあっ!』の立ち上げから関わっていた方からの紹介でした。一番最初にやったのは『トムトム☆ブー』っていう短いアニメ。それが当時『いないいないばあっ!』の中でやってたんです。そのアニメーションの中の歌を作詞が私で、曲が栗原さん*1っていう。それから絵描き歌を作る時に声をかけていただきました。そこからだんだんと増えていきましたね。
—Eテレの音楽は制限がたくさんありそうですね。
加藤:例えば2才の子どもだと言葉で説明するというよりは、感覚を〝ふわふわ〟とか〝もにゃもにゃ〟とかのオノマトペで表現することが多いです。それでいろいろオノマトペも勝手に作りましたね。リクエストは色々あるけど、自由な感じです。逆に『おかあさんといっしょ』で年齢が上がると、今度はちゃんと正しい言葉を使うところは使う、というふうになるんです。でも、それもまた面白くて。子どもの成長に合わせて理解するポイントが全然違うけど、それさえわかれば何やってもよかった。
—「ほっとけーきはすてき」は『おかあさんといっしょ』の歌ですよね。“ホットケーキ”というお題や、季節感の注文はありましたか?
加藤:具体的にどういうものを、というのはありませんでした。面白ければいいという、とっても恵まれた状況で作らせていただきました。「ほっとけーき〜」はブルースなんですけど『おかあさんといっしょ』でブルースって大丈夫かなあ?って少し心配してたんですがプロデューサーさんが断然コレがいいって言ってくださって。
—「ほっとけーきはすてき」はブルースなんですね!
加藤:そうなんですよ! 子どものブルース。子どもにもやっぱりあるじゃないですか、やなことや、なんだかなあとか。ブルースって金がねえよとか、女が逃げたとか基本ぼやきですけど、子供にも喧嘩したり、落書きで怒られてちくしょー!とかありますよね。それってブルースですから。それが面白いと思って。