紙にまつわるアーティスト 引地渉さんとの出会い

今回の紙にまつわるアーティストのコーナーで紹介した
イラストレーターの引地さんとの出会いはかれこれ10年以上前になります。
当時小田急線の経堂駅でアートフェスティバルが開催されており、
そこに僕も出展しておりました。
(オチャノマートの前身のような、ミニコミのようなものです)
そのイベントで私のブースの近くに出展していたのが引地さんでした。
当時、私はデザイン事務所をやめていて、デザインを仕事にもできず、
アルバイトをしながら、自主制作のミニコミを作っていました。
なんの立場も無い自分に普通に接してくれて、
それがとても嬉しかったのを覚えています。
そこでお話したのがきっかけでそのミニコミに
イラストをお願いしました。
その後、個展などにお邪魔したり、
デザイン事務所として独立してからは、
何度かお仕事をお願いしたりして、
いつもすばらしい作品を作っていただきました。

引地さんの作品の魅力は何と言っても、
「紙」の素材の魅力です。
コラージュを作品にする人はたくさんいますが、
引地さんのような作品はなかなか見たことがありません。
インタビュー記事でもプラモデルの影響があるとおっしゃっていますが、
プラモデル的な要素を平面に置き換えただけではない、
奥行きというか、画の中に物語りを感じることができます。
また、近未来や、異世界などを描いているのに、
ノスタルジックな感じを受けるのも特長の一つです。
故郷の山や森などから影響を受けてもいると思いますが、
技術を積んだからといってできることではないと思います。
イラストという仕事だけには収まらない、
引地さん独特の芸術的感覚が表現されているのだと思います。
書店には引地さんが手がけた表紙の書籍がたくさんあるので、
読書を楽しむと、同時に表紙の絵もよく見ていただければと思います。
また、これを見た子ども達が影響を受けて、
紙で何か作ってみようと思ってもらえたらこんなに
嬉しいことはありません。
次回の引地さんの個展などの時には、
ぜひみなさん足を運んでみてください!

引地渉さんのサイト

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