デザインの本場というコラムでは、大竹悦子さんにイラストをお願いしています。
何度か個展やグループ展などでお会いするうちに、
一度、イラストをお願いしてみたいと思っていました。
大竹さんの絵の線はボールペンで描いているそうです。
どんなにあっさりとしたモチーフや、
今回のメーコブのようなかわいいキャラクターを描いても、
濃い味になるのが魅力だと思います。
細部まで細かく描写されており、
その積み重ねが密度に繋がっています。
現在はシンプルだったりあっさりとしたデザインや
イラストが好まれる時代だと思います。
その時代において、濃いイラストを描き続ける姿は
しっかりと自分の個性をもっていると思います。
そして、観ていてちょっと笑ってしまう時があるのも特長だと思います。
絵を見て、笑わせるというのはできそうでできないことです。
ご本人は意図していないかもしれませんが、
特に人物を描いたときなどは、妙なおかしさが、かもしだされています。
例えば、面白いコントは演じる本人達がふざけて見えては笑えません。
本人達がいたってまじめにやっているのに、
いつの間にかどうしようもない状況に
おちいる時ににじみ出てくるのが、おかしさだと思います。
大竹さんの絵も細部まで細かく細かく描写して、
ストイックに驚くほどの密度で描くからこそ、
味わいが出てきてクスッと笑ってしまうのでしょう。
それと、個人的な印象なのですが、
AMラジオ的な味わいがあるのかなと思います。
AMラジオはリスナーの失敗談や悩みなどを、
共感し笑ったりすることで成り立っていて、
飾ることなく生活のにおいがして人間的です。
大竹さんの絵からはそういうAMラジオ的な人間らしさが
感じられると思います。
また、次回もお願いできればと思っております。
みなさん、ぜひ個展などのさいには、
実物の絵を見てみてください!
大竹悦子HP